住職のつぼやき[管理用]

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父への手紙

 拝啓、宮本茂樹さま
 お父さん、お元気ですか。あちらの世界へ往かれてから、もう今日で丸二年が経ちました。
 こちらでは、お父さんの《三回忌》をこの前にちゃんとやりました。ちゃんとお供え物は届きましたか?
 そういえば、お酒が好きだったので、色々なワンカップ酒を買ってきて、お供えしていたら、この前《夢》で、「もう、酒はいらん!」と怒って出てきましたね。あちらの世界では、お酒などなくても、憂さを晴らせるのですか?あれから、もうお酒はお供えしてませんが、本当に大丈夫ですか?又飲みたくなったら、《夢》で教えて下さい。
 こちらの世界は何とかやってます。母も病院通いをしながら、結構お芝居など行って遊んでいるようです。
 弟夫婦もその子供たちも、三回忌の時に来ていましたが、元気そうでした。弟も或る程度《出世》したそうです。(どの程度なのかよく解りませんが)
 僕の家族も、色々ありますが何とかやってます。娘も息子も大学生になりました。(なんとか〔笑〕)
 時々、お父さんの事を妻と話しているのですよ。「ちょうど良い時に、お父さんは亡くなった。苦しまず、あまり寝込まず、あっという間に往けて本当に良かった。徳があったんやなぁ」と。
 僕はあまり、お父さんのことを思い出さない様にしています。
僕は涙もろいので、思い出したら耐えられないのです。こんな人間が、坊主をやっているのですから変な話です。
 お父さん、もうこの世では話しをする事ができなくなってしまいましたが、胸の中ではすぐにお父さんの声が甦ります。
 これからもどうか、こちらの我々を見守って下さい。
 よろしくお願い致します。
 そうそう、阿弥陀さまにもよろしくお伝え下さい。
 それでは、又。お元気で。合掌 息子の直樹より
 追伸:父の日にあげた腕時計は、今僕が形見に使っています。プレゼントした物を形見に持っているなんて変な話ですが、これをつけているとお父さんが常に側に居てくれている様な感じがしているのです。潰れるまで大事に使いますね。

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