住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「妙好人 物種吉兵衛さん」(その5)

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「このままでは、死んでいけましぇ~ん」が、吉兵衛さんのギャグ!・・ではなく、遇う人、会う人、に真剣に問うていた吉兵衛さん。
 ついに[善知識=(仏道・悟りに導きいれる師匠)]に出遭い、聴聞して聴聞して、心に《阿弥陀さまの呼び声》を聞いたのでした。
 ・・・・
 晩年、吉兵衛さんは、その時のことを次のように語っています。
 『・・自分の心が、阿弥陀さんの光で包まれる。そんな体験は、いつ起こるんか解らんのや。仕事中に起こるかもしれんし、道を歩いている途中に起こるかもしれん・・。「ははん、これはしたり!」という心が内から起こってくるのや』と。(これは一種の神秘体験やったのかもしれん⁈・・余談)
『阿弥陀様の呼び声を聞いた』という吉兵衛さん。
 そんな噂を聞いた師匠の元明師が、ある日、ひょっこり訪ねてきました。
 「吉兵衛さん、お前さん、大そう有名になってきたそうやが、阿弥陀さんの呼び声を聞いたんか?」と、元明師が訪ねました。
 すると吉兵衛さんは、きっぱり答えました。
「・・聞いたとも言えません。と言って、聞いてないとも言えません。」と不思議な答え方をしました。
 すると、元明師は、
「そのとおりや!大事なことに出逢ったのぉ!」と、言われたのでした。
 それは、まるで『禅問答』の答えを得たかのような(二人のみが解る)対話でした。 つづく

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