住職のつぼやき[管理用]

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話すこと、聴くこと、寄り添うこと・・

「住職さん、出前講演会はどんな題名にしましょか?会のレジメに書かなあかんので・・」と、出前の依頼者から時々尋ねられる。そんな時はたいてい、「題は『話すこと、聴くこと、寄り添うこと』にしてください」とお答えする。この題名は『お寺の出前の会』の時分からも、よく使っていた。今回はこの《お題》について話をしたい。
そもそも、どうしてこんな題にしたのか。それは僕の大好きな宗教者の言葉に由来する。19世紀のインドに聖ラーマ・クリシュナという偉いお坊さんがおられた。この方の言葉に「信仰者の性格ってどんなものか知っているかい?オレが話すから、お前はお聞き、お前が話すならオレは聞くよっていうようなものさ・・」というのが残っている。ここから取った。
この言葉の部分だけでは、聖ラーマ・クリシュナの凄い所がわかってもらえないであろうが、とにかく僕はこの方の大ファン!なのである。僕の『出前』活動はこの方の影響を受けて始めたといっても過言ではない。ちなみに僕の紙芝居は、この方のお話から作ったものが多い。(仏教もの紙芝居№16『仏様の思し召し』・№17『先生にならなかったお坊さん』・№23『すべてのものは仏さま』である。)難易な宗教哲学を子供でも分かるようなたとえ話にされてお話されるこの聖人。是非一度、図書館などでこの方の本を探して、読んでもらいたいと思う・・。以上は余談。
さて、題の最後の『・・寄り添うこと』は、どこから取ったか。
これは僕の友人の言葉からヒントをもらっている。友人はこんな話を僕にしてくれた。「幼い子供が亡くなった時、お経をあげに来てくれた坊さんが、お通夜が終わっても、すぐに帰らんと、長いこと一緒に居てくれた。そして色んな話をしてくれたんや・・。うれしかった。・・寄り添ってくれてたんやなぁ、今でもよう覚えてる」。・・この言葉から付けた。
人間のコミニュケーションの基本でもある、この『話すこと、聴く事』を、宗教者として、『寄り添いながら・・』、活動していきたいと常に僕は思っているのである。

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