さて、才市さんは仕事の時以外は、たえずお寺参りをされ、お説教を聞き続けられました。
これは、安楽寺様に残るお説教の時の才市さんのエピソードです。
説教師のお坊さんが、「信心を得るというのは、大変難しいことなのです。
たとえていうと、[富くじ=(宝くじ)]」に当たるようなものなのですよ。」
と、お話されると、一番前に座っていた才市さんが、突然立ち上がり、両手を上げてクルクル回り、「その富くじ!わしが当たった!当たった!」と叫んだそうです。(その後、恥ずかしくなって顔を赤くし、おとなしく座ったそうですが・・(笑い))
その時の気持ちを読んだ詩が残っています。
『富が当たった。六道輪廻のわたくしが、ナムアミダブツの富にとられて。』
もうひとつ、
『わたしゃ、たまらん。講義の下で、説教聞くとき、胸に歓喜が突き上げる。ナムアミダブツが有り難い。』
つづく