住職のつぼやき[管理用]

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映画『西の魔女が死んだ』を見て・・・

 昨日、『西の魔女が死んだ』という日本映画を見てきた。
 本当は『インディ・ジョーンズ・・』を見ようと思っていたのだが、映画館に行ったら、『西の魔女・・』の上映の方がもう、終わってしまいそうな雰囲気だったので、こっちを取った。〔僕は原作者の<梨木香歩>さんが大好きなのだ!〕(映画は一日二回の上映で、お客は僕ら夫婦を入れても10人もいなかった)
 このお話を簡単に紹介する・・。
〔主人公の中学生の女の子《まい》は、学校でいじめに合い不登校となり、心を癒す為に、代々《魔女》の血筋をひくという英国人の《祖母》の家で、しばらくの間過ごす事になる。
 この《祖母》は山奥の一軒やで暮らし、草木についての知恵や知識をふんだんに持ち、物事の先を見通す不思議な能力を持つがゆえに《魔女》であるとの事であった。
 《まい》も『自分も魔女になりたい!』と思い、《祖母》の元で『魔女修行』を始め、風を受け入れ、光を感じながら大自然の中で、閉ざしていた心を徐々に解き放していくのであった・・〕
・・と、まぁ、このようなお話で、CGも何もない淡々とした素朴な映画なのであるが、内容は或る意味〔宗教的〕で深い。
 たとえば、祖母と《まい》のセリフに次のようなものがある。

(まい)「おばあちゃん、人は死んだらどうなるの?」
(祖母)「・・そうですねぇ、おばあちゃんの信じている話をしましょう・・」とか。(・・この続きは本か、映画館で!)
 
(祖母)「・・自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思うことはありませんよ。 ハワイより北極で生きる方を選んだからといって、誰がシロクマを責めますか」とか。

(祖母)「草や木が光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているんです」とか。

(祖母)「魔女になるために、一番大切なのは意志の力です。自分で決める力、自分で決めたことをやりとげる力です」とか。・・(まるで、《がばいばあちゃん》を上品にしたような、そんなセリフがたくさん出てくる)
  
 実は僕の娘も、今のお寺に10年前に引っ越して来た時、不登校になった。
 色々と悩み、さまざまな所へ相談にも行った。
 ・・が、娘を救ってくれたのは、このお話と同じ、娘の《祖母》であった。
 つまり、僕の母親が(魔女ではないが、〔笑〕)、娘を救った・・と思っている。娘は僕らの元を離れ、僕の両親の元へ引っ越した。学校も転校した。寂しかったが、仕方のない選択であった。全部そのままを受け入れてくれる娘の祖母は、娘の心を救ったのかもしれない。
 僕ら夫婦はそんなわけで、娘を小学生の頃から育てていない。
後悔しない日はないが、これしか道がなかったと今でも自分に言い聞かす。
 そんな娘も今は〔大学生〕になった。
 昨日見た映画は、あの時の自分の選択を〔自分で慰めるかのような〕、そんな映画であった。
 

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