住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「石山合戦始末記」(その3)

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 長い長い戦さは続き・・、
 本願寺の門徒軍も信長軍も、多くの犠牲者を出し、お互いがいつしか疲労の極致にまで達していました。
 そして、ついに[顕如]上人は、講和を決意したのでした。
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 「・・これ以上戦うことは、ご門徒を苦しめるだけだ。私は朝廷に間に立ってもらい、講和をしてここを安全に出ようと思う。・・皆はどう思うか?」
 と、[顕如]上人が口を開くと、長男の[教如(きょうにょ)]上人が、声を大にして反対しました。
 「お父上、・・いやご門主さま、それはなりません。信長という男、約束を守らぬ残虐な奴でございます。もし、皆が槍を捨て、ここを出たとしたら、そこを狙って必ず襲ってきます!・・父上がここを出られても、私は残ります!そして戦い抜きます!」と叫びました。

 こうして、父[顕如]上人派と、長男の[教如]上人派は対立し、別れることになったのでした。
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 こののち、顕如上人たちは無事、石山本願寺を退出することができました。
 一方、残った教如上人たちは、この後あくまでも抵抗を続けました。
 がしかし、多勢に無勢、やがて教如上人たちも、闇夜に紛れて脱出を決意。
 この脱出の後、何者かによって石山本願寺から火の手が上りました。
 そして、本願寺はすべて焼失してしまいました。(あぁ、もったいな・・)

 そして、今度は長男[教如]上人が信長に追われることになりました。
 教如上人は、先に退出し、今は和歌山の鷺森(さぎのもり)に居られる父[顕如]上人を頼られます。
 しかし、顕如上人は、息子の教如上人を義絶して、匿う事を拒否しました。(一時的に匿ったとも云われているが・・?)
 それで、教如上人は、各地を転々として逃げ続けることになるのです。
 「教如よ、すまん。お前を匿えば、信長は又我々を疑い、攻撃をし掛けてくるだろう。・・なんとか逃げてくれ。」と顕如上人は心の中でつぶやきました。 つづく

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