(金子みすゞの墓)
「自分は死んでも、必ず(見えぬけれども在る)仏様の国に往ける。そして、そこから娘を守ってあげる事が出来る!」と・・・、
金子みすゞは、夫と両親と弟に『娘の養育は母に任せたい』と遺言状をしたためました。
そして、睡眠薬を多用接種し、26歳で自ら命を絶ちました。
そしてその通りに、娘さんはみすゞのお母さんによって育てられる事になります。
それでは最後に、みすゞの代表作の一つとなりました『星とたんぽぽ』と詩をご紹介致しましょう。
『星とたんぽぽ』(「金子みすゞ全集・Ⅱ」より)
「青いお空の底深く、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる。
昼のお星は眼に見えぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきにだぁまって、
春のくるまでかくれてる。
つよいその根は眼に見えぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。」
・・金子みすゞ。
本名、金子てる。
行年、26歳。
法名 釋尼妙春信尼。
お墓は、仙崎の遍照寺さまの境内にあります。
『繭(まゆ)と墓』(「金子みすゞ全集・Ⅱ」より)
「蚕(かいこ)は繭に入ります、
きゅうくつそうなあの繭に。
けれど、蚕はうれしかろ、
蝶々になって飛べるのよ。
人はお墓に入ります。
暗いさみしいあの墓へ。
そしていい子は、羽が生え、
天使になって飛べるのよ。」
おしまい