住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

紙芝居:『怒りのアッコさん』~キレなかったお釈迦さま~

○仏教式キレない方法 (仏教もの34) 《相応部経典》より
ファイル 122-1.jpg
昔、インドに《アッコーガナ・バーラトバージャ》という名のお坊さんがいた。(舌をかみそうな名前なので、ここでは縮めて《アッコ》さんと呼ぶ)
 このアッコさんは偉い坊さんではあったが、おシャカ様が大嫌いであった。
 ・・というのも、自分の弟子が、みんなおシャカ様の元に去ってしまったからであった。
 ある日、アッコさんはついにキレた!
 そしておシャカ様のお寺に怒鳴り込んだのだった!!
「やいやいやい!よくも俺様の可愛い弟子たちを奪いやがったな。この野郎め!」と、さんざん悪口を浴びせた。
ファイル 122-2.jpg
しかし、おシャカ様は顔色ひとつ変えずに言われた。
「アッコとやら、そなたの家にもお客は来るであろう。
 その時、お前は〔ご馳走〕を出してもて成すだろう。・・もしその時、お客がその〔ご馳走〕を食べなかったら、その食事は誰の物になるであろうか?」と。
ファイル 122-3.jpg
 するとアッコさんは、「決まってるだろう!食事を取らなかったら、みんな俺様が後で食っちまうさ」と答えた。
 それを聞いて、おシャカ様は静かに話し始めた・・。
ファイル 122-4.jpg
「アッコよ、私はお前が持ってきた《悪口》という〔ご馳走〕は食べないぞ。つまり、聞かないという事だ。・・だから、〔悪口〕はすべて〔アッコ〕自身に帰るであろう」と。
「そんなのは屁理屈だ!」と怒るアッコに、おシャカ様はさらに冷静に説かれた。
ファイル 122-5.jpg
「よく聞きなさい・・。他人の怒りに対して自分を静める者は、ふたつのものに勝つのだよ。ひとつは自分の心に、そしてもう一つは他人に勝つのだ・・。これ程大きな勝利はないだろう」と。
・・・この言葉にアッコさんは深く頷き、のちに自分自身もおシャカ様の弟子になったということです。 おしまい

上に戻る