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紙芝居:「捨聖 一遍上人」(その8)

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(一遍)「ナムアミダーブ!(鐘の音=チン、チンッ)・・、ナムアミダーブ(チン、チンッ)」
 何やら賑やかで、楽しいそうなその響きに、町中の人々が集まってきました。
 そして、一遍さまは集まった人々に、『念仏札』を一枚一枚丁寧に配って歩き、阿弥陀様のお救いの話をされました。
 地位の有る人無い人に関係なく、老若男女の隔てもなく、病気の人にも進んで接して、お念仏の教えをと説いてゆかれました。
 こうして、いつしか多くの人々が、一遍上人を慕い、自ら弟子と称してついて来るようになったのでした。
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 その弟子の中から、やがて楽しさのあまり、念仏と共に踊りだす者も現われ、これがいつしか『念仏踊り』へと変わっていったのでした。
 そして、その『踊り念仏』の人気は全国各地へと広まり、一遍上人一行は、どこへ行っても大歓迎で向かい入れられるようになったのでした。
 しかし、一遍上人は威張らず、また一か所に安住せず、お寺も創らず、いつも謙虚に歩き続けられました。
 その旅の途中のエピソードに、次のような話が伝わっています。

 一遍上人が行くところ、よく不思議な自然現象が起こったそうです。
 それは、(めでたい現象と云われる)紫の雲が、(一遍上人の居る場から)よく天へと立ち昇った事でした。
 それを見た、一人の弟子が一遍さまに言いました。

(関西出身の弟子)「一遍さまっ、ほんま、毎度毎度、不思議でんなぁ。まさにミラクルや!・・これは、我らをいつも神仏が護って下さってるという事でっしゃろ?・・一遍様は、ほんまに生き仏様や!神や神さまや、そしてわしら高弟たちは、神セブンや!」と言うと、一遍様は冷やかに、こうおっしゃったそうです。
(一遍)「花のことは、花に問え。・・紫雲のことは紫雲に問え。・・一遍知らず」と。
 そんな(不可思議な)現象が起こったなどと、いちいち騒ぐな。そんな現象など、この一遍のまったく知らぬこと。そんなことは、天の雲に直接聞いてくれ。お前はそんな暇があるのなら、ただ念仏を称えよ。・・とおっしゃりたかったのかもしれません。 
 次回、いよいよ最終回 つづく