住職のつぼやき[管理用]

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出前は、愛知へ (前編)

 昨日、おとといと、愛知県岡崎市の『浄土真宗(大谷派)玉泉寺』さまの定例法座に、ご法縁を頂戴し「紙芝居法話」に行かせて頂いてきた。
 こちらのお寺へは、遠方でもあるし、大雪の恐れもあった為、一泊で行かせて頂く事にした。
 6日の夕方、車は大阪から(大雪に悩まされることなく)無事、愛知県の岡崎市に到着。
 この時、まだ時間にゆとりがあった為、(時間を有効に使おうと)そこから大急ぎで、隣の市の知多半島にある半田市へと向かう。
 半田市に何があるかというと、僕の好きな(『ごんぎつね』や『手袋を買いに』の作者こと)〔新美南吉〕さんの記念館があり、前から調べたかったことを、現地で確認したかったのだ。
ファイル 1047-1.jpg(『新美南吉記念館』)
 それは、僕も作った紙芝居の一つの『でんでんむしのかなしみ』という紙芝居に、仏教的背景があったのか?無かったのか?、又、あるとすれば、そのモデルは『ゴータミー』という子供を亡くしたお母さんの話を元にしたものなのか?・・をそれを調べたかったのだ。
 しかし、結果的には解らなかった。
 記念館の職員さんにお聞きしたのだが、「南吉さんの作品に仏教的背景があったのは事実です。しかし、『でんでんむしのかなしみ』という作品が、『ゴータミー』の話を元にしたものかは解りません。」とのことだった。
 しかしながら、いくつかの収穫はあった。それは、南吉さんは、浄土真宗の門徒であり、不幸続きの幼い頃、近くの真宗寺院に通って法話を聴いていたという事実である。
 おそらく、南吉さん自身が抱えていた病気の事(29才で喉頭結核のため永眠。法名『釈文成』)も、作品に反映されていたに違いないが、若き日に和尚さんから聴いた仏教法話が、その作品に多いに反映したと思われるのだ。
ファイル 1047-2.jpg(生誕百年『ごんぎつね』モニュメント)
 僕は『ごんぎつね』の舞台地、『中山』に建った記念館を後にし、南吉さんの生家へ向かう。
ファイル 1047-3.jpg(新美南吉生家)
 「なんと、小さなお家だろう。」が、僕の正直な感想であった。
 「ここで南吉さんは、畳屋(のち下駄屋)を営む父親、(相性の悪かった)継母とともに育ったのだ。・・この狭い空間で、その多感な(児童文学の)心を育んだのか」・・と、今も自由に入れるその(誰も居ない)生家に一人入って、僕はつぶやいたのであった。 つづく
 
 

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